住宅の気密性能とは?重要な点や注意点、C値についても解説

住宅は、人生で最も大きな買い物。

そのため、住宅を建てる際は、みなさんそれぞれに、こだわりポイントをお持ちのことだと思います。

間取りや外観、デザインなども大事ですが、一年を通して快適に暮らすためには、住宅の気密性能(C値)も重要なポイントのひとつです。

この記事では、住宅において気密性能(C値)はなぜ重要なのか、また気密性能の導入を検討する際の注意点について解説します。

住宅購入時に重要視される気密性能(C値)とは?

住宅購入をお考えの際に、耳にする「気密性能」や「C値」というワード。

それらが一体どのようなものなのかをご説明します。

気密性能とは?

住宅における気密性能とは、床、壁、天井、窓枠などにできる隙間を極力減らして密閉性を高め、室内と屋外の空気の出入を少なくする性能のことをいいます。

そもそも、熟練の職人によって、どれだけ丁寧に建てられた住宅であっても、目で見ただけではわからない隙間は、必ずあるものなのです。

より高気密な住宅に仕上げるためには、一般的に使用される建材よりもさらに寸法誤差の少ない専用建材や気密シート、気密テープなどを用いて、隙間ができないように施工する必要があります。

こうして丁寧に隙間を埋める高い施工技術が施された住宅は「高気密性住宅」と呼ばれています。


C値とは?

C値とは、住宅の大きさに対して、隙間がどのくらいあるのか、隙間の量を数値化したもので、C値が小さいほど気密性能が高いことを意味します。

C値=住宅全体の隙間の面積(㎠)÷延べ床面積(㎡)

C値は住宅の隙間の面積を家の床面積で割って出すのですが、実測値であるため、設計の段階で算出することができません。

住宅が完成する間近のタイミングで計測器具を用いて気密測定技能者が測定して数値を出します。

なお、新築時に計測したC値は、ずっとそのままの値をキープするわけではなく、住宅の劣化とともに高くなります。

つまり、気密性能は徐々に下がってくるということです。

要因としては、ドアや窓枠の経年劣化、住宅に使用されている木材の収縮などで隙間が大きくなることが考えられます。

また、エアコンの取付工事やリフォームに伴う工事により隙間が生じることもあります。

C値は、新築時から上がっていく(気密性能は下がる)ことを最初から理解したうえで、新築のタイミングではできるだけ低いC値を目指すことが理想的といえるでしょう。

気密性能が高い住宅 3つのメリット

では、高気密性能が高い(=C値が低い)住宅には一体どんなメリットがあるのでしょうか。

主なメリットを3つご紹介しましょう。

メリット1:住宅内の温度や湿度を快適に保てる

気密性能が高い住宅は、厳しい気候の季節でも外気の影響を受けにくいという点が、大きなメリットのひとつです。

例えば、梅雨時でも室内の湿度上昇を抑えられるので、カビやダニの発生を防ぐことにつながりますし、冬場、寒気が室内に入り込み足元だけ冷えるというような室内の温度ムラが生じることも少ないでしょう。

屋内の温度や湿度は一定に保たれることで、冬場の急激な温度差も少なくなり、心筋梗塞などを引き起こすヒートショックのリスクを軽減させることにもつながります。


メリット2:光熱費を抑えられる

気密性能が高い住宅は、冷暖房で調整した快適な空気も、しっかりと屋内に留めることができます。

冷暖房を効率的に使用することができるので、結果的に光熱費を抑えられます。

省エネは、家庭にも環境にも嬉しいメリットですね。


メリット3:汚染物質の侵入を防ぐ

外気には、花粉やPM2.5など体によくない物質も含まれています。

気密性能が高ければ、これらの汚染物質が家の中に入りにくくなります。

また、高気密住宅には、システム的に換気できる仕組みが施されているので、室内の気になる臭い、花粉、二酸化炭素などは屋外へ排出されます。

よって室内の空気は常に快適な状態に保つことができるというわけです。

気密性能の導入を検討する時の4つの注意点

C値にこだわった高気密な家を建てるために押さえておきたい注意点を4つお伝えします。

高気密住宅の実績豊富な会社に依頼する

C値にこだわった高気密住宅を希望するなら、施工会社選びは大変重要です。

なぜなら理想的なC値を求めるためには、職人の高い技術力、緻密な設計、高性能な建材が必要だからです。

また、一般的な住宅に比べ、施工時間は長く、建築費用は高くなる傾向があることを念頭においておきましょう。

あらかじめ、ホームページなどで情報を集め、高気密住宅の施工実績が豊富な会社を選び、スケジュールや予算のことも含め、しっかり話し合うことをおすすめします。


換気システムは、第1種換気方式を選ぶ

換気システムとは、扉や窓を閉めたままでも、住宅全体の空気を入れかえることができる換気方法のこと。

住宅に施される換気システムには「第1種換気方式」「第2種換気方式」「第3種換気方式」と種類が3つありますが、気密性能が高い住宅では、「第1種換気方式」を選ぶようにしましょう。

「第1種換気方式」とは、給気と排気の両方をファンで強制的に行う換気方式です。

空気の流れをコントロールしやすく、換気効率に優れています。

シックハウス症候群の予防にもなるので、気密性能が高い家は、ぜひ「第1種換気方式」を選ぶようにしましょう。


窓の種類や大きさ、設置数は採光と気密性のバランスを考える

窓は、住宅の気密性を大きく左右します。

日差しを室内にたくさん取り入れたいというご要望もお持ちかもしれませんが、開閉できる大きな窓をたくさん設置するとその分、気密性は低下します。

採光と気密性のバランスをよく考えながら、窓の種類、大きさ、設置数を決めるようにしましょう。


窓の種類としては「引違い窓」や「上げ下げ窓」は、開閉の際に隙間ができる仕組みであるため気密性は下がってしまいます。

気密性を重視するなら、外側に開く仕組みの「すべり出し窓」が適しています。

「すべり出し窓」は、「引違い窓」や「上げ下げ窓」と比べ、閉めた時の気密性が高い窓となります。

また、明るさを確保するためにFIX窓を取り入れるのもおすすめです。

FIX窓は開閉できませんが、気密性はばっちりです。 


サッシの素材には熱を伝えにくい樹脂製を選ぶ

住宅の気密性・断熱性を高めたいのであれば、サッシの素材には樹脂製を選びましょう。

熱を伝えにくい性質であることに加え、フレームをとめる際、ネジを使用するのではなく、溶接でとめます。

そのため隙間が少なくなりより気密性が高まります。

まとめ

住宅の気密性能は、省エネで快適・健康的な住まいを実現するために欠かせない性能です。

住宅の隙間を数値化したC値は、現在、国の基準は設定されていませんが、施工会社の技術力を確認するためにも重要な基準のひとつであることは確かです。

住宅の新築やリフォーム、リノベーションを検討している方は、気密性能やC値についてもぜひこだわって、施工業者と話し合ってみてくださいね。